以前のブログで手首の柔らかさが重要というお話をしました。
今回は上下左右の動きについてです。
(※私は手が広がらないので手首の動きを駆使して弾ける方法を考えてきましたが、手が大きい、あるいはすごく広がるいい手をしている、などで大きさには苦労していない方もぜひ手首の動きには注意していただけたらと思います。今回お話しする箇所は↑手が広がらないために繋がらない所、だから音が届く人には関係ないよね。ではなく、同じ動きを手の大きな人が取り入れたら今よりもさらに音の響きや滑らかさを豊かにすることができます。ぜひ試してみてください♫)
上記の動画ではショパンのバラード4番の一部分を例にします。左手の音形が広がるため全ての音を繋げて弾くのは大きな手でないとなかなか難しい箇所です。
1回目は手首を動かさず力も抜いていない状態で弾いています。ペダルもつけていないので音が繋がって聞こえないですね。
2回目は手首を音形に合わせて柔らかく動かし、1の指での弾き終わりで手首をさらに響かせたい方向へ柔らかく動かすことでペダルなしでも響きがでてきています。(ホールなど響きのある場所で弾くともっと分かりやすいです)
人それぞれ手の形が違うので動かし方も異なってきますが私の場合を例にすると、最初のファド♭ラのラの1の指に向かう時に手首をできるだけ内側(右側)と少し上向きに動かします。
黒鍵を弾くときに手首を少し持ち上げると指が黒鍵の位置に近くなる(普段の弾く手の基本位置を指が落ちない鍵盤手前ギリギリにした時)
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手首を左右に動かすことで、普通に広げた指よりも遠い音に指が届く
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指で繋げられなかった箇所は特に耳でよく聴いて、響きで音を繋げる(レガートの1種です)
この3点を組み合わせると、音が離れてしまってもペダルなしでもなめらかに聞こえます。そうやって弾けるようにしてからペダルをつけるとさらに響きが豊かになりますよ。
音が繋がらない、指が届かないからといって何でもかんでもすぐにペダルを使ってしまうと、もっと素敵に豊かな表現ができるのにその可能性を潰してしまうことになりとても勿体無いですね。
本当はホールなど響きのある場所でペダルを使わずにピアノの持つ響きだけで確認するのが理想ですが、ご自宅などの部屋での練習でももちろんできます。弾いた後の響きを逃さず、よく耳をすませて手首を使った時と使わず力が入ったままの時と、聴き比べてみてください。
その違いがすぐに聞き分けられるようになればなるほど、ピアノは一人でもどんどん上達していくことができます。